【滝行日記】
群馬県 棚下不動滝

以前、知り合った方から紹介され頭の隅にずっと置かれ放置されていたのだが、この度ようやく訪れることができました。

現地についてまず目にするのは巨大な岩に刻まれた不動明王。これは東日本大震災の折に落ちてきた巨大な落石を、この地震を忘れぬように、そして被災され亡くなられた方々の菩提を弔う意味をもって二年の歳月をかけて彫られたそうです。

岩の重さは200トンにも及び、この地にまで及んだ震災の力を改めて実感させられるものです。こちらでお参りをして、横の参道からしばらく進むと、立派なお堂が。

こちらは不動明王が祀られているそうで、周囲には石仏が並びます。昔からあったわけではなく集められたものではないかと推察します。この地でも江戸以降に信仰は少しずつ縮小されていったことでしょう。
さて、こちらでも般若心経をお唱えし、階段を登っていくと徐々にその滝の全容が見えてまいります。
全国でも珍しい裏見の滝のひとつで、ここまで綺麗に整備されている場所は他に無いのではないかと。
こちらにも不動明王のお堂が建てられており、地元の方々の信仰の深さを感じ取ることができます。

この滝場では、今でも多くの行者さんが修行に来られており、滝壺も綺麗に整備されております。今まで多くの滝場を訪れて参りましたが、自然の場所では最も入りやすい滝場です。

落差は35メートルとされ、非常に高いのですが水量はそこまで多くなく、入行するとバチバチと痛みを感じますが圧はありません。
水温は適温と申しましょうか。冷たいのですが、冷たすぎず命の危険を感じることはないのですが、初行の方であれば息をするのがやっとになるだろうと思われる程度。

水に意識を向け、不動明王と一体となるよう、心と体を整える。いつまでも入っていたくなるようなひと時。そこまで至れば滝行は終わり。これ以上やっても気持ちいいだけです。

また後日には行者さんを連れて伺う予定ですが、当山の行者さんたちもこれには感動するだろうなと。素晴らしい滝でした。

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