望月 大仙2023年12月19日権処さんの日記権処さんの日記(二拾六)令和5年3月5日 前回の日記でこの日の出来事を書き忘れていた。 初めての走りでは処世界さんの初めての大仕事の他に、権処さんも初めての小仕事があったのだ。それが香水配り。 「走り」の行法は二月堂の内陣を練行衆が天界と地上の時間差を埋めるために延々と走るのであるが、練行衆は昼か...
望月 大仙2023年9月12日権処さんの日記権処さんの日記(拾八)令和5年3月1日 この日はお仕事が多い。そのうちの一つがお餅積み。 修二会を象徴する荘厳といえば「糊こぼし」、そして「壇供」である。壇供とはお餅のお供えのことで、円盤のような形に成形されたお餅を積んで観音様にお供えする。そして、皆様からのお見舞いのお返しにこのお壇供を送るこ...
望月 大仙2023年9月7日権処さんの日記権処さんの日記(拾七)令和5年3月1日 練行衆の朝は、遅い。この日は九時の起床。とても暖かな日だ。 寺役(定例法要)を終えた塔頭僧侶たちが挨拶にやってくる。「開白済みましておめでとうございます」という文言が定形。 昨夜の日中開白をもって本行の始まりとする。無事に本行が始まりましたことおめでとうご...
望月 大仙2023年8月29日権処さんの日記権処さんの日記(拾六)令和5年2月28日 風呂が終わればお祓いというのが、修二会の常。風呂というと汚れを落とすため、清浄な行為のように感じるが、俗事であるためか終われば必ず自席での祓いがあるのです。 ※処世界さん視点はこちら https://www.fugenkoumyouji.jp/post/...
望月 大仙2023年8月22日権処さんの日記権処さんの日記(拾五)令和5年2月28日 参籠宿所のすぐ下には湯屋と呼ばれる建物が存在し、ここではお風呂の他、三役の生活の場でもあり、院士らによって食事の準備などが行われる場であり、参籠宿所が完全に清浄な場である一方で、風呂や炊事といった俗事を行う場であるとも言えます。...
望月 大仙2023年8月15日権処さんの日記権処さんの日記(拾四)参籠宿所といえば、残念ながら最近ニュースにもなってしまった二月堂下にある食堂(じきどう)とひと繋がりになっている建物で、二月堂に参拝したことのある方であれば知らず知らずのうちに真横を通っていることでしょう。 建てられたのはは建治3~弘安5年、西暦にして1277~1282年の...
望月 大仙2023年8月8日権処さんの日記権処さんの日記(拾参)令和5年2月28日 引っ越しの前には、諸々のお道具、持ち物を清めなければならぬ。日本において清めは禊など水を使って行うことは皆様もよくご存知のことでしょう。別火坊においては、佐保川から汲んできた水で不浄を払う作法が存在します。お手洗いなどに行った後は必ず水を身に振りかけるの...
望月 大仙2023年7月18日権処さんの日記権処さんの日記(拾)令和5年2月27日 朝がつらい。人類が皆感じることだが、今年の修二会では殊にきつく感じる。特に腰だ。 私は元来、腰痛持ちでマットレスを敷いて寝ているが、修二会期間中はそうもいかない。腰に重いものがくっついているかのような感覚が私の朝を憂鬱なものにする。...
望月 大仙2023年6月20日権処さんの日記権処さんの日記(六)令和5年2月22日 朝は常のごとく。午前は昨日の作業の続き。牛玉札の袋を作ることと、紙衣しぼり。紙衣しぼりとは、修二会で用いる紙製の衣を作るに当たり、仙花紙と呼ばれる厚手の和紙をクシャクシャにすること。紙がまるで布のようになるまで柔らかくします。...