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暩凊さんの日蚘二拟䞃

什和五幎䞉月䞃日続き


 小芳音さんの出埡瀌堂ぞ䞀床おいでになるでは暩凊䞖界は戞垳の䞊げ䞋げがお圹目。楜なもので、束明の頭がにゅっず入っおくるので戞垳を䞊げる。それに凊䞖界がちょいちょいず排氎で枅める。小芳音さんの台を出す。次に埡茿。最埌に䞭灯ず出入りのあるたびに戞垳を䞊げる。それぞれに決たったお圹目があるのがこの日の行事である。


 この日の日蚘は淡癜で、特蚘するこずは埌倜の連れ五䜓。腕が痛いず泣き蚀が曞いおある。埌日、凊䞖界さんから「暩凊さんの連れ五䜓の時の息遣いが郚掻でベンチプレス䞊げる時のそれなんですよね」ず蚀われた。気合い入れないず乗り切れないのだ。



䞉月八日


 嚑婆挚拶。管長さんから「五䜓がよかった」ず蚀われるも、はおなんのこずかなずピンずこない。぀らい蚘憶であったため早々に奥の方に突っ蟌んでいたらしい。「えぁ、ありがずうございたす」ず䞍思議な返答になっおしたったのは臎し方のないこず。


 八日の日䞭は宝物釣り。鏡を内陣、須匥壇の䞊郚分にある長抌のようなずころに匕っ掛ける。これにはどのような意味があるのだろう鏡を䞊にずいうず䞉月どうも倩蓋に鏡がある。なにか関係があるのだろうか


 日没では回向文のこずを考えすぎお南無を忘れる。昚幎以前にもやったこずがあるのだが、この間違いはものすごい目立぀し、恥ずかしい。


 壇䟛積みでは土台がぐら぀いおないか。高さにばら぀きがないかを芋ながら積むべし。䜕床も積み盎しお、しかし結局二床も厩れおしたう。これによっお䞋堂がかなり遅くなる。これには反省が必芁だ。次回はたた来幎以降になるが、芚えおいるだろうか


 この日から牛玉札を摺り始める。この時、神名垳は必ず北座のものが担圓する。なぜかず問われれば単玔な話で、混みすぎるからだ。ただでさえ南座ず比范しお人が倚い北座だ。神名垳で南から出匵しおきた際などはもうぎゅうぎゅうで。牛玉摺りのずきなどいわんや。


 さお、凊䞖界さんの日蚘でもお話したのだが、私はこの牛玉摺りが䞀番苊手なむベントである。制限時間内にすべおの札を摺り終えなければならないプレッシャヌず䞍噚甚さに拍車をかける。この埡札はお瀌ずしおお配りするものなので気が抜けない。䞉幎間毎幎取り組んできたが、党くコツが掎めないでいた。


 しかし、四幎目にしお䜕ずなく方向性を掎むこずに成功したのだ。それを皆さんにも玹介したい。


 たず、版朚であるがもちろん朚でできおいる。ちなみに材質は桜であるず䌺った。硬い朚なので長持ちするずか。聞いた話なので本圓かは定かでない。


 この版朚ずいうのは氎を吞う。この朚が也燥しおいるず墚を乗せおも氎分がすぐに吞われおしたい、うたく玙にたで乗らなくなる。それどころか玙の繊維が版朚に匵り付いおしたい、うたく擊れない䞊に目詰たりを起こす。


 それを防ぐためにも版朚を十分に湿らせる必芁がある。これは参籠宿所でも倧宿所で行われおおり「版朚しめし」ず呌ばれおいる。䞀幎分の也きを最すのだ。だが、この版朚ずいうのはすぐに也く。それはもうずおもずおも。


 なので、摺り始める前にもさらにもうひず湿しする必芁がある。それは今たでも先茩から教わっおいたが、やはり足りなかったのだ。それはもうひたひたに、これでもかず氎を加えねばならない。


 これを事前に行い、少しでも玙が匵り付くような兆候を芋せればたた湿す。これによっお䞇党の状態をキヌプ。これこそ四幎目にしお芋出した突砎口。これにお䌚䞭で最も苊手な行事ナンバヌワンの座を、連れ五䜓に譲る事ができた、はず。しかし、ただ腕が痛い。


 晚朝の時導垫を務め、䞋堂。

䞉月九日


 䞋䞃日になり二日目。ただ二日目なのかず驚く。これは䞊䞃日でも感じるのだが、䜕日も経っおいるかのような錯芚に陥るのが二日目。


 初倜の䞊堂。鐘を぀くのは暩凊さんの仕事なれど、䞭灯から堂叞の束明を芋れるずいうのは特暩なのだ。九日も芋おいるず、火の぀き方の違いや、歩き方の違い、早かったり遅かったり、竹の動かし方や、普段は笑顔の童子さんたちの真剣そのものの衚情など芳察する箇所は非垞に倚い。今日は暩凊童子ず南二童子の火の回りがよく、北出仕口の時点でも倧倉良く燃えおいた。


 牛玉摺りの続きだが、前蚀を撀回せねばならない。氎を入れすぎたのだ。特に陀矅尌の版朚に難儀する。暗い䞭で完璧な仕事をするのは党く持っお難しい。


 今日も晚朝の時導垫。今幎最埌の晚朝だ。気合を入れる。そうなるずどうなるか。倱敗する。無念である。


䞉月十日


 昚倜は暑く、寝苊しさを芚える。満行したあずの服装をどうしたものかず考えおしたう。この日は蚘念写真。今回は现殿の前の階段にお。たたに堎所が倉わるが誰が決めおいるのだろう。



 法螺に぀いおのお話曞いおいいか分からないので䞭略。講話䌚ではお話したかな


 牛玉摺りは初倜の倧導垫䜜法䞭に終わる。なかなかの良いペヌスなのでは終わっお宝讀を䜕枚か手䌝う。基本的にお叞が行っおいる。ここたで手が回ったのは初めおのこず。やはり䞊達しおいる。ポンポンず小気味よく抌しおいくが、これもなかなかコツがいる。


 手氎にお、凊䞖界さんが終わらず疲れた衚情。コツが掎めず悪戊苊闘しおいるずのこず。私も通った道だ。なんならただその道にいる。北座の先茩方のお力添えもありなんずか終わった様子。


 晚朝は五䜓。衆之䞀さんの真䌌をしお倱敗する。こりゃ痛い。匱り目にたたり目ずばかりに戞垳に足を取られおコケる。螏んだり蹎ったりである。


䞉月十䞀日


 衆之䞀さんから急に謝られる。ナンノコッチャず思ったら今日は初倜の時導垫ず神名垳が圓たっおいるずいう。確かにこりゃ忙しい。行法の圓番は別火䞭に衆之䞀さんが差配する。现かいルヌルがあるが、人のやるこずなのでこのようなケヌスはよくある。しかし、こういうむレギュラヌに圓たるずいうのは珍しく俄然燃えおくる。


 日䞭が終わるず銙氎をいただく。緎行衆、そしお䞉圹、童子、仲間ず瓶に銙氎を詰めおいく。


 倕方、出仕前の時間。18時45分になっおもい぀ものアナりンスがない。おやず思っお芋やれば今日は無芳客デヌ。土曜ずいうこずで倚くの人が詰めかけるのを危惧したようだ。


 静たり返った宿所はい぀もず異なり、䞍気味ささえ感じる。䜕ずなく「行くぞヌ」ずいう気勢が削がれおしたうように感じる。


 しかし、童子さんたちはにぎやかだ。「今日はニコ生のための束明やな」ず。すっかりニコ生も参籠衆にはおなじみになったものだ。


 この日の九本目、倧導垫さんのお束明にお寺の束明が䞊がる。この束明が䞊がる頃にはすでに内陣に入っおいるため芋るこずができない。ニコ生のみんなおいらの代わりに芋おくれよ


 初倜の時導垫。芳音様ずの察話の時間。肉色の芳音様が目の前に珟れたように芋えた。こういう䞍思議な䜓隓ずいうのは二週間の参籠の䞭で䞀床くらい起こる。ありがたいこず。感埗したこずはここには曞けないが、ずおも倧切なこずであった。䞀方で、声明が酷いものになっおしたったこずには芳音様も苊笑いではなかろうか。


 初倜が終わるずすぐに神名垳。぀っかえるずころもあり、これはお皜叀を重ねる必芁があるず深く感じる。五十点くらいの出来。前回は二十点かな。


 䞋堂埌に、䞀時の鐘をようやく参籠宿所で聞けた。これは最初で最埌だろうなぁず。


 咒垫郚屋になっお初めお知ったこずだが、この日の䞋堂のあずに咒垫さんは湯屋小袖を矜織り、閌䌜井の確認に行かれおいた。明日の倧䞀番に向けおの準備だ。


 少々空気も冷えおきた。さお、明日はどうなるだろう。



䞉月十二日


 実は倜の時導垫はもう終わりなのだ。あずは日䞭日没のみ。ちょっずさみしい。咒垫束明が出来䞊がり、宿所の前にドンず眮かれる。これも今たでは芋るこずが出来なかった。郚屋が反察偎だからね。


 参籠宿所では基本的に東西の移動はない。䞊の圹職にお呌ばれした堎合は行けるが、自発的に動くこずはたずないのだ。倩狗はただ぀いおいない。倩気の良い日には咒垫束明に倩狗のお面を぀けるのが習わしになっおいる。錻高々ずいったずころか。


 咒垫束明ずは、深倜のお氎取りの際に咒垫の足元を照らすために甚いる束明で、その圢状は非垞に独特のもの。持ち方も抱えるようにしお持぀ため䞍安定で、もちろんかなり重いらしい。䞀床しか甚いられず、しかも深倜のお氎取りの際のみずいうこずもあっお、お目にかかるこずの難しい束明である。



 しかし、実のずころ修二䌚のメむンむベントずも蚀えるお氎取りの行法は倚くの講瀟の皆様の協力や、雅楜の挔奏などもあるため非垞ににぎやかな行事になっおいる。そしお、想像以䞊に芋に来られる方が倚いのだ。咒垫さんも初めおみたずきは人の倚さに驚いたず仰っおいた。


 䞀昚幎などは倧荒れに荒れたこずもあったため、倩候が䞍安であったが今幎はどうなるだろうか。芳音様次第であろう。


 暑い。数取り懎悔が半端なく、皆汗だくになる。16時30分お目芚。45分䞊堂。日没は五䜓。童子さんが芋おいるからず匵り切った所、ひざを痛打。調子に乗るずこうなる。幞いにもこれが今幎最埌の五䜓投地。これ以䞊は無理。日没埌は銙氎の柄杓を掗う。たた走りが始たるのだなぁ。


 八倩習瀌。錫杖を担圓する。南から出お ず確認。習瀌にはいないはずの四職がなぜか䞋堂せずに残る。緊匵感のある習瀌だ。


 十八時半䞋堂。宿所にお埅機。童子さんも緊匵を口にする。童子さんの奥さんも毎日掻躍をニコ生で芋おいるずのこず。関係者もお䞖話になっおいるのだ。咒垫さんも次第の芋盎し。本番に向けお䜙念がない。


 今日も無芳客なれど、昚日のような和気あいあいずした雰囲気は党く感じられず、ピリピリずした空気が宿所党䜓を芆っおいるのを肌で感じる。加䟛奉行の掛け声で现殿に出仕。お叞の倧声で䞉床の案内が遣わされる。


 通垞は加䟛奉行が「時候の案内」「甚事の案内」「出仕の案内」のそれぞれ䞉床の案内を行うが、この日の案内はそれぞれ違う者が行う。人遞はおそらく加䟛奉行次第。基本的に仲間の䞭から若手が採甚されるように思える。もちろん私も経隓枈みだ。


 现殿でお叞から倧声で「〇〇の案内」ず案内圹に指瀺する。これがたた倧迫力で、普段のお叞からは想像もできないような倧声が现殿に響き枡る。


 だいたいの堎合、「時候」「甚事」は仲間が、「出仕」は加䟛奉行が担圓する。たず初め、お叞から案内の指瀺を受けた仲間は勢いよく階段を駆け䞊がる。たずここで息が䞊がる。


 そしお、倧声でもっお堂内の凊䞖界に案内をするのだが、ここで仲間さんは倧きな声を出すこずに慣れおいないためか声が少々裏返っおしたったようだ。それが埅機しおいる参籠衆にたで聞こえるずほんの少し堎が和んだ。


 案内が終わるず緎行衆は食堂の東偎の现いスペヌスぞ移動。ここからは二月堂の欄干の様子がよく芋える。もちろん䞊堂は暩凊が䞀番。「かんたえたヌかんたえたヌ。暩凊さんの童子ヌ暩凊さんの童子ヌ◯䞞」ず加䟛奉行の合図。「応」ず童子が応じ倧きな籠束明に火が灯る。䞀番はじめずいうこずもあり加䟛奉行の声にも固さを感じた。


 火が぀いおしたえばここからは童子さんの独壇堎。力匷い足取りで䞀段䞀段ゆっくりず䞊っおいく。階段を登り終える頃には束明は倧火球に。心のなかで「頑匵っおください」ず応揎し、足早に堂内ぞ。鐘぀きを凊䞖界さんず亀代し、タタタッず駆けおいく凊䞖界さんの埌ろ姿を芋送る。



 ふず芋やるず䞀日童子圹の小院士さんが掃陀をしおいた。この日は凊䞖界童子も束明を䞊げるため、普段ずは異なり院士さんが童子圹ずしお掃陀の手䌝いをするのだ。曰く本圓にギリギリの時間たで掃陀をされおいたずいう。なんずいうバむタリティか。到底敵わないなぁず。今幎の凊䞖界さんのすごさを目の圓たりにする。


 しかし、今幎も西の局の扉は閉めたたた。幎によっおは瀌堂から束明を芋やるこずできるずいうのだがそれは未だ叶わず。残念。この日は瀌堂ぞは䞀斉に入り䞀列になっお四方瀌拝を行う。四股は無し。


 初倜読経は私が出だしを担圓。気合はそこそこにミスのないように䞁寧に読む。倱敗せぬように ずいう意識が匷い。やはりこの日は特別。初倜は䜕事もなく進行、南二さんの力を振り絞るような神名垳に聞き惚れる。その間に私は凊䞖界さんず達陀甚の束明に持ち手の藀づるを巻く。これによっおグリップが効くのだ。


 この日の走りは暩凊が䞋数。぀たり最埌たで走り続けるお圹目。䞋数からの銙氎配りはちょっず慌ただしい。今幎は配る盞手も少ないが、来幎はきっず忙しくなるだろうなぁ。色々ず考え事をしおいたせいか本手氎から垰る時にコケる。


 修二䌚の行法では「たっ぀け袎」ずいうものを履く。これを甚いるは南郜の特色らしい。足銖の郚分がゎム玐でキュッずした袎なのだ。これももちろんお寺からお借りしおいるのだが、䜕分サむズが合わない。なので気を抜くずずり萜ちおきおしたうのだ。そしおコケる。来幎にはこれだけでも自前で甚意しおこようかしら。


 お氎取り。束明をもらい火を぀ける。倩気は曇り。倖に出るずずおも暖かく過ごしやすい気枩。参拝の方もこれなら楜だろう。雚予報であったがなんずかもっおくれた。これも咒垫さんの功力に違いない。


 達陀では氎倩。しかし、突っ蟌みすぎおもろに顔に熱颚を济びおしたう。アチチチチチ埌で泚意されたが氎倩を行う際はしっかりず手を䌞ばすこず、でないず排氎噚ず䜓の距離が近くなっおしたいこのようなミスに繋がる。


 達陀が終わる頃には倖は倧雚。たるで氎倩さんが喜んでいるようだなぁ。



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