top of page

令和六年 修正会

修正会


 混迷を極める一年の始まりではありますが、祈りの大切さを噛み締めております。



 毎年、元日には信徒の皆様が集まり修正会として、一年の息災を祈念する法要を厳修しております。


 当山は華厳宗という宗派で、奈良・南都の仏教の端っこを担わせ頂いております。そこで、南都仏教の特色である悔過を今年は行おうと思い立ったのです。


 悔過とは、自身の行いを懺悔(さんげ)し、悪因が悪果を生まないよう仏菩薩に祈りを捧げることです。つまり、悪いことが起きませんようにとお祈りするわけです。


 華厳宗の悔過といえば、東大寺で旧暦の二月に行われる修二会、お水取りが有名です。私も四度、この法会に参籠しておりますが、全身を使って祈ることはなんとも言えぬ力強さを感じるものです。


 他にも東大寺では十二月にも仏名会という千遍礼拝が行われるなど、とにかく懺悔懺悔の仏教なのです。私達が常日頃から犯している罪障は数え切れませんからそれも致し方なしかと。


 さて、今回は観音悔過を…と言いたいところですが、流石に皆様と行うには難しすぎる。なので、以前ある方の勧めにあった「金光明禮懺儀」を用いて礼拝行を行うことにしました。


 おおよそ五十遍の称名礼拝。ひとつひとつ仏菩薩のお名前を唱えながら五体投地を行う。慣れない方はなかなかに大変です。


 法要前に軽いお稽古を挟んでいざ法要。最初は戸惑いながらも、何とか私の声に合わせて礼拝を進めいていきます。


 脇目で必死についてくる弟の様子を見ながらペースを考えつつ礼拝。だいぶきつそうです。かくいう私も着込んでいた事もあり少々汗ばんでくる。


 皆様の熱気を背中に受けながら、無事に礼拝をやりきりまして、共に一年の息災安穏を祈念することができました。


 このように、ただ参列するのではなく参加して共に身体を動かし、祈る。これこそが私の目指す仏道の実践の形であると感じます。


 それが終わると絵馬の授与。この絵馬にはそれぞれ裏に漢字一字が書いてあり、それを一年のテーマとしてもらっています。


 耳の痛くなるような文字も少なくありません。唸るような漢字に当たる人もいれば、確かに…と納得されるような方もいます。



 私自身の今年のテーマは「興」。より一層お寺を興隆させることのできるように努めようとの意気込みで、大きな紙にどでん!と書かせていただきました。


 それらが終われば、おしるこの振る舞い。温かく、甘い汁粉が身にしみますね。


 また、今年は皆様からのご寄進をいただき、とても大きな鏡餅を観音様の仏前にお供えすることができました。ご協力くださった皆様、本当にありがとうございます。


 


0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page