日本には古来より山に籠り、験力を得て衆生を救済するという思想が根付いています。
山は自然の母です。幾万もの生命を育み、そして死んでいきます。山とはそれ一つが生死を包含する壮大な世界を示しているのです。
その中に分け入ることで、自然の力を身に宿すことこそ「修験」です。
当山でも、定期的に山へと登ります。時には鎖一つでがけに挑むような険しい山道を行く。
その中に、人生のありよう、覚悟の大切さ。そしてなにより自分自身を見つめなおし、自然とのつながり、生きていることを再確認するのです。
凡夫たるわれらは自然の中に生まれ、死んでいくことを再確認しなければ、いただいたこの命を尊重することなどできません。ゆえに修行のなかで見出していく必要があります。
山岳修業は私たちに様々なメッセージを授けてくださいます。それが通常の登山との大きな違いでしょう。
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