令和三年十月十日
当山に愛染明王を勧請いたしました。
かねてより不動明王を祀っていた本堂脇には、4年前に執金剛神像が安置され、厳しいお顔で信徒の皆さまを見守ってくだっていました。
今年の6月頃に、愛染明王坐像をお祭りいただけないか?というお話をいただきました。初めはお受けする心づもりではなかったのですが、ひと目見た副住職がこれはぜひ当山で祀ろうと。
不思議なもので、お堂に安置してみるともともとここにあったのではないか?と思えるようなハマり方。ちょうど不動明王と対になるように配置する事ができました。
それを見た時に「あぁ、ここに来るべくしていらしたのだな」とストンと腑に落ちたことを覚えています。
6〜9月は当山でも行事が立て込んでおり、10月に開眼を行うこととなり、その間に密教修法でお世話になっているお坊様から護摩を伝授していただけました。
愛染明王は金剛薩埵の変幻。金剛薩埵ないし金剛手菩薩は執金剛神の流れを汲む菩薩であるとも言われおり、今この道場にいらしたことはまさにご縁の賜物としか思えません。
結果として10月に行うことで緊急事態宣言も解除され、参拝に来られる方も安心して来ることが出来たというのも有るでしょう。
とはいえ、愛染明王とのご縁をつなごうと参加を希望されました多くの方々すべてを受け入れることはできませんでした。
しかし、その方々の分も御札を開眼し、護摩法の中で明王とのご縁が紡がれ、ご利益がありますようにと強く、強く祈念しました。
この御札はこの時にのみ開眼するもので、一枚一枚私自身が丁寧に手書きしたものです。
持ち帰られた皆様はぜひともお祀りいただき、愛染明王の御加護を一心にご祈念くださいませ。必ずや明王とのご縁が開かれ、その縁は果報となり、皆様の人生をより一層華やかに、明るいものにしてくださるはずです。
今回燃やした護摩木は500枚ほどになりますが、皆様の書かれた護摩木は高く高く炎の柱があがり、私の位置から見ると愛染明王のお姿を炎で荘厳するかのようで。祈りがまさに熱と光という実体を伴っていると感じられました。
しかし、それこそが護摩という行法がこれほどまでに残り、そして人を惹きつけ続けているものなのではないかと感じます。
今回も多くの参列者が共にいてくださったおかげで、素晴らしい護摩を焚くことが出来ました。
これは自分ひとりで行う自行では成し得ない力であります。この素晴らしい仏縁に今一度感謝を申し上げます。
ぜひ、開眼した愛染明王尊をお参りにいらしてくださいませ。
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