愛染明王護摩法要

愛染明王護摩法要



 昨年にひょんなことから当山にお迎えすることとなった愛染明王像は、開眼法要と護摩供をもって本堂の左端に安置され、今ではすっかり堂内になじまれております。


 愛染明王は真っ赤なお姿に憤怒の形と恐ろしさを覚えるような尊像でありますが、その名の通り「愛」に関わるご利益が多く、「良縁成就」「家庭円満」などを祈念されてきました。特に有名なのは直江兼続が愛染明王を信仰しており、兜に愛染明王のご守護を賜るため「愛」の字を飾ったという説もあります。



 今回は二回目の愛染明王を本尊として行われる護摩法要。昨年以上に多くの祈願の申し込みがありましたが、やはり一番多いのは良縁成就だったのですが、次点が「人間関係円満」のご祈願でありました。


 人と人ととのご縁を円満にという意味合いで今年初めて「人間関係円満」という祈願をさせていただきましたが、ここまで多くなるとは思っておりませんでした。特に話を聞く中で多かったのが職場での人間関係。


 昨今ではテレワークなど、自宅にいながらできる仕事も増えてまいりましたが、それでもオンラインミーティングなど人との関わりが断てるわけではなく、どこまで行っても人と関わり続けます。


 そして、職場というのは自分の都合で動いてくれるわけもなく、多くの人が不満や愚痴、そして傷を背負いながら生きている。だからこそ、そんな人の心に救いの手を差し伸べてくださるのも仏のお力なのです。


 私自身も、人の話を聴いて痛みを柔らげたり、時にはアドバイスや心の持ち方などをお教えすることはありますが、関係そのものを変えることは出来ません。しかし、神仏に心を預け、心から祈念することは大きな力になります。


 祈りというのは行動であって、行動には結果が伴います。どのような道筋を辿って仏菩薩がその人を手助けしてくださるのか。凡夫である私には見当も付きません。しかし、祈りの力というのは確かに感じるのです。



 今回の護摩法要に参加してくださった信徒の方から「ご住職は私達と明王様の架け橋になってくださっているように感じた」というお言葉を頂戴しました。そのように感じてくださったことは、護摩法を修した私にとって何より嬉しいことです。それこそが私の役目であり、行なのだと思っています。


 私自身の力は小さく、弱いです。人を救うだの大きなことは言えません。だからこそ、すこしでも多くの方と仏様を繋いで、ご縁を深めていただきたいのです。そこに、かならず救いがあるものだと感じているからにほかなりません。


 今回の護摩行を始めとして、当山では多くの方の祈りを頂いております。この力をより広め、多くの方の心に届きますよう今後とも精進してまいります。


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