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執筆者の写真望月 大仙

令和五年「修正会」

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。



 当山は鎌倉と藤沢の境に近い住宅街にありますが、標高は80メートル弱の鎌倉山に位置します。


 鎌倉というか、関東平野というのは高い山がないものですから、当山の山門からは横浜のランドマークタワーや、空気が澄んだ夜などには遥か彼方にスカイツリーのライトが見えるほどです。


 本堂はちょうど東向きに作られており、日の出からは時間差があるものの太陽の昇る様子を見ることができます。


 元日の日の出は午前六時五十分頃とのことでしたので、その五分前に半股引一丁で庭に出る。


 裸足で歩いていると、石畳の冷たさが足裏を襲う。一晩寝かせた瓶の水はキンキンに冷えている。


 水行肝文を唱える声が静かな朝に響く。桶を持って頭から水をかぶる。十回を超える頃には冷たさでなく痛さを感じるよう。飛び散った水が石畳を濡らすが、少しすると凍結してしまった。


 身支度を整え、朝日を拝む。そして本年も良き一年になりますようにと手を合わせる。



 午後になれば信徒の皆々様が集い、修正会を勤修する。また新しい年を迎えられたことを観音様に報告し、感謝とご守護を祈念するのだ。


 五十余名が参加し、観音経を唱える。



 いつもと変わらない光景。しかし、だからこそ良いのだと。


 それが終ると、お屠蘇を振る舞いつつ絵馬みくじなるものを引いてもらう。これは私が絵馬の裏に漢字を一字書いたものだ。


 

 そこに表れた漢字を今年の抱負やテーマにしてくださいと言ってお渡しする。


 皆さん楽しみながら絵馬を引き、心当たりがあるのか苦笑いをしながら持ち帰る人も。



 続いては一字書。毎年、私と父が今年の抱負を書く。信徒の方にも何名か書いていただいているのだ。


 私の今年の一字は「結」。より多く方々とのご縁を結べますようにという願いと抱負を表した。



 父は「華」。華厳の「華」であり、華のある一年をとのことだ。



 今回信徒の方が書かれたのは「妙」「翔」「煌」。それぞれ思いを込めた一字だ。


 一通りの行事が終わるとお汁粉とお茶で一服。一年の始まりを和気あいあいとした空気で過ごす。それが何よりも大切な時間です。


 また来年も皆様と過ごせますよう、一年の息災を祈念いたします。


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