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望月 大仙
2024年5月24日
権処さんの日記(二十八)
三月十三日 九時半起床。この日は少し遅い。しかし、童子さん達はいつも通り早くから動かれている。凄まじい体力だなぁ。 一息ついていたところに南衆さんが訪ねていらした。お持ちの十一面観音様の仏画を見せてくださる。先日、私が称名悔過において観音様のお姿を思い浮かべながら礼拝してい...
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望月 大仙
2023年12月19日
権処さんの日記(二拾六)
令和5年3月5日 前回の日記でこの日の出来事を書き忘れていた。 初めての走りでは処世界さんの初めての大仕事の他に、権処さんも初めての小仕事があったのだ。それが香水配り。 「走り」の行法は二月堂の内陣を練行衆が天界と地上の時間差を埋めるために延々と走るのであるが、練行衆は昼か...
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望月 大仙
2023年9月12日
権処さんの日記(拾八)
令和5年3月1日 この日はお仕事が多い。そのうちの一つがお餅積み。 修二会を象徴する荘厳といえば「糊こぼし」、そして「壇供」である。壇供とはお餅のお供えのことで、円盤のような形に成形されたお餅を積んで観音様にお供えする。そして、皆様からのお見舞いのお返しにこのお壇供を送るこ...
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望月 大仙
2023年9月7日
権処さんの日記(拾七)
令和5年3月1日 練行衆の朝は、遅い。この日は九時の起床。とても暖かな日だ。 寺役(定例法要)を終えた塔頭僧侶たちが挨拶にやってくる。「開白済みましておめでとうございます」という文言が定形。 昨夜の日中開白をもって本行の始まりとする。無事に本行が始まりましたことおめでとうご...
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望月 大仙
2023年8月29日
権処さんの日記(拾六)
令和5年2月28日 風呂が終わればお祓いというのが、修二会の常。風呂というと汚れを落とすため、清浄な行為のように感じるが、俗事であるためか終われば必ず自席での祓いがあるのです。 ※処世界さん視点はこちら https://www.fugenkoumyouji.jp/post/...
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望月 大仙
2023年8月22日
権処さんの日記(拾五)
令和5年2月28日 参籠宿所のすぐ下には湯屋と呼ばれる建物が存在し、ここではお風呂の他、三役の生活の場でもあり、院士らによって食事の準備などが行われる場であり、参籠宿所が完全に清浄な場である一方で、風呂や炊事といった俗事を行う場であるとも言えます。...
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望月 大仙
2023年8月15日
権処さんの日記(拾四)
参籠宿所といえば、残念ながら最近ニュースにもなってしまった二月堂下にある食堂(じきどう)とひと繋がりになっている建物で、二月堂に参拝したことのある方であれば知らず知らずのうちに真横を通っていることでしょう。 建てられたのはは建治3~弘安5年、西暦にして1277~1282年の...
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望月 大仙
2023年8月8日
権処さんの日記(拾参)
令和5年2月28日 引っ越しの前には、諸々のお道具、持ち物を清めなければならぬ。日本において清めは禊など水を使って行うことは皆様もよくご存知のことでしょう。別火坊においては、佐保川から汲んできた水で不浄を払う作法が存在します。お手洗いなどに行った後は必ず水を身に振りかけるの...
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望月 大仙
2023年7月18日
権処さんの日記(拾)
令和5年2月27日 朝がつらい。人類が皆感じることだが、今年の修二会では殊にきつく感じる。特に腰だ。 私は元来、腰痛持ちでマットレスを敷いて寝ているが、修二会期間中はそうもいかない。腰に重いものがくっついているかのような感覚が私の朝を憂鬱なものにする。...
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望月 大仙
2023年6月20日
権処さんの日記(六)
令和5年2月22日 朝は常のごとく。午前は昨日の作業の続き。牛玉札の袋を作ることと、紙衣しぼり。紙衣しぼりとは、修二会で用いる紙製の衣を作るに当たり、仙花紙と呼ばれる厚手の和紙をクシャクシャにすること。紙がまるで布のようになるまで柔らかくします。...
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望月 大仙
2023年6月12日
権処さんの日記(五)
令和五年二月二十一日 その2 13時より社参。ここでも処世界さんはお留守番。各々、貝を持ち赤門、大仏殿、天皇殿とお参りをする。この貝は片手で持てる程度の法螺貝で、一般的な法螺貝よりも高めの音が出る。修二会でおなじみの法螺貝だ。...
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望月 大仙
2023年5月8日
権処さんの日記(三)
令和五年二月二十日 月曜日 雨・曇 午前の間に布団などを別火坊に入れる。牛王櫃を初めとした道具類を自席に並べていく。今年からは権処世界の席に。 東大寺の修二会には「北座」と「南座」という区分が存在します。それはその読んで字の如く、二月堂の内陣の北と南に練行衆が別れて座ること...
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望月 大仙
2023年5月1日
権処さんの日記(二)
令和五年二月十八日 本年の修二会も本行前に隔離期間が設けられた。令和3年の修二会では2週間のホテル、翌年の令和4年も2週間のホテル隔離。今年は10日間のホテル隔離。 1年目は非常に長く感じたものの2年目3年目になるともはやホテルも慣れたもの、あっという間に隔離期間が過ぎた。...
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望月 大仙
2023年4月17日
権処さんの日記(その零・この日記について)
権処さんの日記 その零・この日記について かねてから「処世界さんの日記」の続編を書こうと思っておりました。しかし、これがなかなか難しく、いかんせん筆が乗らなかった。 2年目、3年目も処世界として修二会にこもらせていただいきました。その中で、「六時の声明」の時導師であったり、...
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